陸上を辞めると、会社も辞めるのか

「実業団は走るのが仕事、走れなくなったら会社を辞めなければいけない」と思っている人が多いようです。実際のところは会社によって違うようです。
契約社員の形で会社に所属している場合、基本的にはプロ契約みたいなものですから、陸上を辞めたら会社を辞めることになるでしょう。しかし、一般社員に比べて高い給与が得られますし、活躍によって給与も上がります。
一般社員として2時または3時まで働いて、その後練習するという形式の社員であれば、陸上を辞めたら、社業に専念することになるのでしょう。その変わり給与体系は一般社員と同じという場合が多いようです。ただし陸上部手当てや結果によるインセンティブが出ているところが多いようです。仕事は2時、3時まででもそれから練習で拘束されますし、生活面でも節制が要求されます。また食費などの生活費も余計に掛かります。こういった部分の手当てが陸上部手当てとなるのでしょう。インセンティブは大会成績により支払われるようですのです。今流行の成果主義ですね。
自分がかつて所属したチームは、仕事は一般社員と全く一緒の、いわゆる「フルタイム勤務」というやつです。仕事が終わってから練習ですから非常にきつい。しかし、陸上を辞めても何にも心配はありません。結果が出ないから陸上部を辞めさせられるということもありませんでした。
実際のところ、陸上を辞めて一般社員として会社に残れるとしても本人がそれを選択しない場合もあるようです。他にやりたい仕事があるとか、郷里に帰るとか、理由は様々のようです。また他の社員が働いている時間を、練習や合宿に割いていたわけですから、社内や同じ仕事に対する知識は同じ年齢の社員に比べて無くて当然です。そういう面で仕事のやりづらさを感じることもあるでしょう。
練習態度・生活態度が悪くて陸上部を辞めさせられた場合、同じ会社内でいい加減な部分を見せてしまったわけですから、職場で信頼を得るのは難しいでしょう。こういった場合、自然と辞めざるを得ない雰囲気になるかもしれません。
フルタイムで働こうが、2時まで働こうが、「陸上で入社した」、「陸上部にいた」というのはいつまでもついて回るように思います。「陸上やっていたから、仕事ができる(できない)」と言われたりします。どんな実業団にいくにせよ、それは認識した上で進んだほうがよいように思います。間違っても「陸上は適当で、後は遊ぼう」とか「あまり陸上はやりたくないが、あの会社にいけるなら」とか考えないほうがよい。そんなことを思っていたら行った先のチームに迷惑をかける以上に本人が苦労します。優秀な指導者はそんな選手を採用はしないと思いますが...