トップダウン

この場合のトップダウンとはまず会社の上層部が陸上部の強化の必要を感じ、スタッフ、選手、練習時間、予算を必要なだけ揃え、強化に乗り出すことです。これに対して、ボトムアップはまず現場(スタッフ・選手)の頑張りを会社の上層部に認めてもらい、練習時間や予算などを確保してさらなる強化に繋げることです。
やはりトップダウンだと結果が出るのが早いですね。ニューイヤー駅伝で注目されていた重川材木店は社長自ら総監督を務めて、創部二年でニューイヤー出場です。今年のニューイヤーを欠場したJR東日本も創部二年目で出場しました。これも強化は社長の方針だったと思います。
これに対してボトムアップは大変難しいですね。会社の上層部を自分たちの頑張りでその気にさせるのは非常に難しいように思います。なんせ会社の上層部の方々は他に考えなければいけないことがたくさんありますから、どうしても優先順位が下がります。それでも選手たちの頑張りで会社側が再び強化に乗り出した例もあります。NTT西日本がそれにあたります。クラブチーム化されながらも地道な努力を続け、再び会社の支援を得ることができました。これはボトムアップといえるように思います。
1999年のNTT再編に伴い、NTT西日本はNTT中国に強化を集約し、それまで活動していたNTT関西、NTT東海はクラブチームとなりました。その中でNTT関西はNTT西日本大阪として活動し、ニューイヤー出場や大崎選手の東京国際マラソンでの活躍などがありました。NTTに勤務する友人から聞いた話では大崎選手の当時の職場は決して楽な職場ではなかったそうです。またNTT西日本も2002年にクラブチーム化され、NTT西日本広島として活動していましたが、そんな環境の中でもニューイヤー出場を継続しました。その結果、活躍が認められ、大阪と広島のチームをあわせてNTT西日本として再び強化することになり、2004年から大阪で活動しています。クラブチーム時代は遠征や合宿の自費参加など、苦労があったようですが、やはり好きだからできたことでしょう。意地などもあったかもしれません。
「やってできないことはない。でも大変だ。」
と個人的には思います。