今回はすっきり?

男女ともオリンピック選考会はあと1つとなりました。
女子に関しては毎回選手の力が接近しており、選考が難しくなっていますが今回は比較的すっきり決まる可能性が高いように思います。
女子の選考会結果(日本人トップ)は下記の通りです。

世界選手権 3位 土佐礼子三井住友海上 2時間30分55秒 内定
東京国際女子マラソン 優勝 野口みずきシスメックス 2時間21分37秒
大阪国際女子マラソン 2位 森本友天満屋 2時間25分34秒

上記の結果から名古屋国際女子マラソンの日本人トップが2時間25分34秒を切れば、土佐選手、野口選手、名古屋の日本人トップが代表となる可能性が高いでしょう。名古屋にも力のある選手が出ますからこのケースとなる可能性が高いように思います。2時間21〜22分台の記録を狙う必要もなく、2時間24分台の記録を目指してペースを作ればよい。その面からも大阪の記録を上回る可能性が高いでしょう。
そうならなかった場合、考えられるケースは次のケースです。
1.日本人が優勝し、大阪の記録を下回る。
2.日本人トップは優勝できず、大阪の記録を下回る。
2のケースなら森本選手が代表に選ばれる可能性が高く、1のケースなら
いろいろな条件を総合して、森本選手と名古屋の勝者のどちらかが代表になると思われます。選手の実績、気象条件、レース内容、出場した外国人選手の実績などが考慮されることになると思いますが、そうなると一般人からは「わかりにくい選考」となります。

これら以外のケースとして考えられることは、名古屋で野口選手の記録を2名が上回ることです。そうなると名古屋の日本人トップがまず代表に決定し、日本人2位選手と野口選手の比較になるでしょう。
しかし、野口選手の記録レベルが非常に高いこと、日本人トップを目指すためリスクの高いハイペースのレースはしないと考えられることから、非常に可能性が低いでしょう。

男子はどうでしょうか?
男子の選考会結果(日本人トップ)は下記の通りです。

世界選手権 5位 尾方剛中国電力 2時間17分42秒
福岡国際マラソン 3位 佐藤敦之中国電力 2時間7分13秒
東京マラソン 2位 藤原新(JR東日本) 2時間8分40秒

上記の結果からびわ湖マラソンの日本人トップ1名が2時間8分40秒を切れば代表は尾方選手、佐藤選手、びわ湖の日本人トップ選手となる可能性が高いでしょう。しかし、2005年以降は優勝者ですらこの記録を上回っていない(2004年は日本人2名もこの記録を上回っている)ことや2時間8分40秒の記録水準から見て、この記録を上回ることは「可能性が高い」とはいえない状態です。

日本人トップ選手が東京の記録を下回った場合、次のケースが考えられます。
1.日本人が優勝し、東京の記録を下回る。
2.日本人トップは優勝できず、東京の記録を下回る。
これも女子の場合と同様、2なら尾方選手、佐藤選手、藤原選手となり、1なら様々な条件から藤原選手とびわ湖の勝者を比較することになると思います。ここまでは女子とほぼ同じ状況です。

日本人トップが東京の記録を上回った場合でも、日本人が1位、2位を独占し、
2時間8分台前半の好記録だった場合、選考が複雑になるように思います。
これも2時間8分台前半という記録水準の高さから難しいとは思いますが、ありえなくはないと思います。
まず圧倒的に記録のよい佐藤選手が決定、次に記録がよいびわ湖のトップが決定すると予想します。最後の1名が微妙となります。
尾方選手の自己ベストが2時間8分37秒ですので、日本人2位の選手と尾方選手で記録を重視するか、実績を重視するかの選考になるかもしれません。
世界陸上2位のムバラク・シャミ(カタール)や同4位のヤレド・アスメロン(エリトリア)が出場するので、この2選手に勝てば世界陸上で尾方選手に勝った選手に勝ったことになります。この二人に勝った場合の評価はどうするかも微妙です。
この2選手が本調子とは限りませんから、2選手に勝ったから尾方選手より強い、という単純な話にはならないとは思います。