選手を弱くする方法

熱心な指導者の方ならどうやったら選手が強くなるのか考えておられると思います。
昔どうやったら選手が強くなるかを考えていたとき、考え方を変えようと逆に選手を弱くする方法を考えていました。
最初に考えたのが、何も言わない方法。見ているだけ。何も言わない。でも強くならないが、弱くもならないように思います。逆に自立心が高くなり、強くなるかもしれません。
まず考え付いたのが、選手を罵倒する方法。とにかく罵倒しまくる。走れても罵倒する。走れなかったら当然罵倒する。嫌になって辞めてしまうかもしれません。しかし、逆に反骨心を持って強くなるかもしれません。
一番効果的(?)だと思ったのが、悪い部分を誉めることです。誉められて悪い気がする選手はいないと思います。悪い部分を誉められれば、それを治そうとしなくなります。そして結果が出なければ違う部分に原因を求めて、良い部分を悪い方向に変えてしまうことになります。結局指導者を否定しない限り成長はありません。しかし誉めてくれる指導者を否定する気にはなかなかならないでしょう。
なぜ、そう思ったかと言うと全然良い取り組みをしていないのに、誉められている選手を見たことがあるからです。誉め方も「お前はよく頑張っている」といったものでした。具体的に「○○が良い」とかそういった誉め方ではありませんでした。その選手は成長しているようには見えませんでした。大した取り組みもしていないのに、自分は頑張っていると思い込んでいたようです。
ビジネス誌を読むと、経営者の方や、教育者の方は誉める指導を否定しています。「誉めるのは2割、叱るのは8割」とか、「誉める権利がある者は、叱ることが出来る者のみ」とか書かれているのを見たことがあります。よく考えたら叱ることが出来ない人の誉め言葉はただのお世辞ですよね。