下呂市の高地トレーニング施設

自分の実家のある下呂市に高地トレーニング施設を整備するという構想があります。
自治体の財政悪化により公共事業が削減されるという昨今の情勢を見ると実現は難しいのかと思っていました。実際、付近に整備が予定されていた高橋尚子ロードは工事が途中で止まっています。しかし、下記の記事のように計画は着々と進んでいるようでした。
下呂市整備の高地トレーニング施設 名称は「御嶽パノラマグラウンド」に(読売新聞)
整備が予定されている場所は濁河(にごりご)温泉という標高約1800mの場所で、日本一標高の高い温泉街として有名です。かつてシドニーオリンピック10000m代表の高橋千恵美選手(日本ケミコン*1がオリンピック前に合宿したこともあるそうです。
地元ということもあり、ぜひ成功して欲しいと思います。しかし、実際に高地トレーニングを経験した人間としては、成功させるには多くの課題が残されているように感じます。思いつくのは下記のような課題です。
交通アクセスの問題
高速道路のインターチェンジから遠く、移動時間がかかってしまいます。最寄のインターチェンジは高山西IC(東海北陸自動車道中部縦貫道)もしくは中津川IC、伊那IC(中央道)となると思います。いずれも1時間30分から2時間はかかってしまいます。これに対して高地トレーニングエリアとして有名な菅平高原はインターチェンジから30分程度です。
ランニングコースの確保
高地トレーニングエリアとして成功するには、多種のトレーニングをこなせる多種のランニングコースが必要です。ざっと思いつくだけでも、トラック、平坦なロード、起伏のあるロード、クロスカントリーコース、平坦な芝生のコースなどがあります。実際、チャオ御岳付近はランニングコースの不足が指導者から不評です。これに対して菅平高原は、多くのランニングコースが準備されています。
自然保護
多くの人が訪れれば、自動車の交通量が増えますし、ごみも増えます。水も汚れます。ランニングコースや宿泊場所の確保で、自然が破壊されます。御岳付近の貴重な自然をどう守っていくかが、課題となります。
もちろん濁河温泉エリアにはよい点もたくさんありますので、これらの課題を解決して、成功することを祈っています。

*1:自分は御岳で合宿をした際に姿を見ました。合宿終了後実家へ帰る途中、「日本ケミコン」のユニフォームを来た選手をみかけ、「ここで合宿をしているのか」と思いました。しかし、シドニーオリンピック前だったため、「さすがに高橋千恵美選手はいないだろう」と思っていたら、先頭を走っていたのが高橋千恵美選手でした。見間違えかとも思いましたが、後日陸上競技専門誌に「岐阜の標高1800m付近の場所で合宿した」と記載されていました。