箱根駅伝・往路

月並みな言葉ですが、「駅伝は何が起こるかわからない」です。圧倒的に有利といわれた東海大が8位です。
順大の往路優勝も驚きでした。スピードランナー村上(日本インカレ1500m優勝)と、坂上りのスペシャリスト今井がいるため、今回の区間距離変更で有利になるのではないかと言われていました。しかし、関東インカレで激走した松岡と今井が故障で調整が遅れていたため、往路優勝までを予想した人は少なかったのではないでしょうか。もちろん自分も予想しませんでした。
個人的には駒澤大に所属する選手のお兄さんにお世話になっていたこともあり、駒澤大学を応援していました。順大と30秒差の2位で5連覇が見えてきました。

ところで、駅伝の区間配置も昔とは様変わりしました。かつては1区にエース級を配置するチームが多かったのですが、最近では優勝争いするチームではエース級を配置する場合が非常に少なくなりました。
かつて箱根駅伝では第70回の渡辺康幸選手(早大・現早大監督)と、井幡政等選手(山梨学大・現愛三工業)の激走、第71回の中村祐二(山梨学大)選手の独走、第76回の徳本選手(法大・現日清食品)の独走とかもありましたが、最近では少ないです。(箱根駅伝1区歴代記録西條さんのページにあります。)
選手の力が接近している状態では誰かが飛び出すことは難しいため、どうしても牽制してしまいます。そうなるとスローペースになるので、エース級の選手を投入しても本来の力を発揮できなくなります。また、1区にエース級の選手を配置し、大きな差をつけた場合、競り合いながら追いかけてくるチームに対して不利になります。1区で遅れては駅伝にならないので、上位で走れそうな選手を使うことは当然ですが、選手層が厚いチームではエース級を投入することは少ないです。1区にエース級を投入する場合、1区の選手もそれ以降の選手も独走で力を出し切れること、後半のエース区間にも選手が残せることが前提となると思います。そうでない場合は、エース級を投入しないとレースにならない場合でしょう。
奇襲を狙ったのか、エース区間でないのに1区にエースを投入した例も地方駅伝で見たことがありますが、失敗したレースが多いです。自分が所属したチームでもそういうことがありました。1区にエースを投入して独走したのですが、後の選手が一人旅になって力を出し切れず、徐々に差を詰められ、エース区間で逆転されました。(しかも母校に...)

高校駅伝や、中部地区最大の駅伝である名岐駅伝は1区が最長区間でエース区間となるので、もちろん1区にエースを投入します。